離職の原因ランキング

看護師が仕事を辞める理由はどうなっているのでしょうか。ある調査では看護師の退職理由を建前、本音と分けて調査し、以下のようなランキングを発表しています。

【看護師の退職理由ランキング(建前編)】

1位 結婚、出産、育児などの家庭の事情(介護含む) 18%
2位 スキルUPしたいから 14%
3位 体調不良 9%
4位 転居 7%

【看護師の退職理由ランキング(本音編)】

1位 人間関係(いじめ、パラハラ含) 19%
2位 労働環境の不満(休日、残業含) 9%
3位 上司、経営者への不満 9%
4位 給与・待遇の不満 7%
4位 仕事内容への不安・不満 7%

(出典:「ナースの転職知恵袋」 ナース人材バンクによる調査)

看護業界では結婚や妊娠、出産という理由で離職することは十分に考えられます。しかしこの調査によれば、実際にはそういった事情で退職する看護師よりも激務や夜勤による疲労や精神的ストレス、職場での人間関係といった理由での離職が主な原因のようです。看護師の職場は今では9K(きつい、汚い、危険、規則が厳しい、給料が安い、休暇が取れない、化粧が乗らない、婚期が遅れる、薬に頼って生きている)と言われています。看護師不足の現状から看護師の増員やワークバランスの取り組みも行われていますが、看護師が心身ともにボロボロになって働いている状況は間違いないようです。

日本看護協会が行った調査によると、2011年度の都道府県別の離職率は以下のように報告されています。

【2011年度 都道府県別 常勤看護職員離職率(抜粋)】 ※括弧内は新卒看護職員

<上位7都府県>
大阪府 14.3% (9.1%)
東京都 14.2% (8.9%)
神奈川県 13.6% (8.8%)
千葉県 12.5% (9.0%)
福岡県 12.5% (8.4%)
京都府 12.1% (5.4%)
愛知県 11.7% (7.7%)

<下位7県>
島根県 6.0% (3.7%)
岩手県 6.3% (5.1%)
富山県 6.7% (2.6%)
福井県 6.9% (6.6%)
徳島県 7.0% (6.4%)
和歌山県 7.1% (3.6%)
石川県 7.1% (7.1%)

(出典:2012年病院における看護職員需給状況調査 公益社団法人日本看護協会)

大阪、東京、神奈川と都市部が離職率の高い地域として上位に並んでいます。逆に離職率の低い地域は、島根、岩手、富山と地方の県に集中しています。都会でも地方でも看護師不足や病棟勤務の看護師が忙しいのは同様ですが、やはり地方よりも都会の病院で看護師が辞めやすい状況になっていることが分かります。

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